そもそも生産技術職って何をするの?
wikipediaが結構わかりやすかったので引用させていただきます。
生産技術(せいさんぎじゅつ、英: production technology, 英: industrial technology)とは、工業製品など具体的に「もの」を作っていく際に、設計する工程(計画)と、それに従い実際に「もの」を作り出す工程(生産)をつなぎ、いかにして品質高く、作りやすく、効率的に生産するか、という方法を工程として設計する技術を指す
簡単に言うと、計画で定められた量を、決められた品質で、できるだけ安く製造する仕事になります。
もちろんそれだけではなく、火災事故などが発生しないように(防災)、怪我人を出さないように(安全)、大気や水質汚染にならないように(環境)、製造する必要があるため、そのような知識も必要とします。
具体的にどんな仕事をしているかと言うと、
- 製造ラインの能力を把握し、ボトルネックとなっているラインの増強
- 生産コスト低減のための設備投資
- 日々稼働しているラインの状況確認
- 不具合箇所の是正対策
- 品質を守るための標準類の整備、改善活動
- 安全な運営にむけたパトロール、改善活動
- 環境ISO監査対応
- 突発的な設備トラブル等の対応、対策の実行
- 工場要員のマネジメント(管理職クラス)
など多岐に渡ります。
設備に関係している業務は、設備部門や制御部門と連携を取りながら行います。
当然ですが、製造ラインに関する仕事ですので、現場の作業者の方と一緒に仕事をすることになります。
※会社によっては製造ラインの運営は「製造部」、新しい生産設備の導入などの仕事を「生産技術職」と明確に分けている場合や、設備部門や制御部門の業務も一緒に行っている生産技術職もあるようです。就活生などは会社HPや先輩に聞くなどして調べた方が無難です。
生産技術で大変に感じたこと・辛かったこと
続いて、私が大変に感じたことや辛かったことをランキング形式で紹介します!
3位 業務時間がどうしても長くなる
生産が計画通り進んでいる時は問題ありませんが、現場設備は怪物のようなもので、突然能力が落ちたり、故障したりすることが少なくありません(もちろんそうならないように努力はするのですが、なかなか撲滅は難しいです)。
その設備の故障原因調査、対策作成や、復旧までの対応、報告資料作成などなど、、していると残業がどんどん増えていきます。
故障原因もパッとわかるものは少なく、いろいろな計器のデータを頼りに、おそらくこうなったんだろうと推定していくことがほとんどです。
その他にも、新規設備の導入や実験の際は、長時間現場で対応しなければならないため、業務時間がどうしても長くなってしまいます。
場合によっては夜勤も発生します。
私の平均残業時間は40〜45時間くらいでした(当たり前ですが、会社によって異なります)。
2位 計画未達だと精神的につらい
生産計画に対して、生産量やコストが負けていると精神的にきついです。
営業さんで言うところの、ノルマ未達ってやつですかね。
なんで負けているのか、どうやって取り戻すのかと聞かれるたびに肩身が狭くなります。
1位 突発的なトラブル時は呼び出される
個人的にはこれが一番嫌でした。
会社からは携帯を持たされているので、何かあるとすぐに電話がくるようになっています。
例えば、深夜に眠っている時や、休日にドライブに行っている時、旅行している時でも、現場でトラブルが発生した場合は最悪出社となります。
出社できない場合は仕方ないのですが、自分が担当しているラインに自分が対応できないとなると、どうしても後味が悪いですよね笑
また、呼び出しまではいかなくても、休日でエンジョイしている時に会社からネガティブな連絡がくるだけで萎えます。
生産技術で良かったこと・楽しかったこと
次は明るい話をします!こちらもランキング形式です!
3位 給与は高い
残業が多い分、残業代が出るので、給与は高くなります。
また、夜勤や休日出勤でも手当がつくので、その分も上乗せされます。
使う暇もあまりないので、独身だと貯金がたまりまくります笑
2位 実際の生産に携われるのでやりがいがある
自分の携わっている設備で実際に目に見える形のモノを製造するので、やりがいは大きいです。
自分の改善案やアイデアによってコスト低減や能率アップができた時は達成感があります。
個人的には、トラブルで呼び出されるのは嫌なのですが、トラブルを解決して対策を策定し、操業のレベルアップができる時は結構楽しかったりします。
1位 作業員の方とのコミュニケーションが楽しい
1位は圧倒的にこれですね。
現場の作業員の方は本当におもしろい人が多くて、一緒に話すと楽しいです。
もちろん真面目な話もしますけど、向こうは現場のおっちゃんなので、下ネタとか業務と関係ない話とかもめちゃめちゃします笑
仕事に慣れるまでは、よくふらーっと現場に行って、作業員の人と雑談してました。
まあ、作業員の方と会話をして円滑なコミュニケーションを築くのも生産技術職の重要なスキルの1つだと思うので、雑談とかも大事だと考えます。
それに加えて、現場の人はやはり経験年数が多いので、現場のノウハウとか知識とかを教えてくれます。
参考書とかで勉強するより、現場に出て、現場の話を聞いた方が断然知識に定着します。
生産技術職に向いている人
以上を踏まえて、生産技術職にはどんなタイプの人が向いているかを解説します!
コミュニケーション能力が高い人
これは必須条件だと考えます。
設備部門、制御部門、現場の作業員、他にも多数の関係部署を巻き込みながら業務をしていくため、折衝業務や調整作業が多く発生します。
特に作業員の方は高卒で就職している人が多いですし、バックグラウンドもかなり異なるため、コミュニケーションの障壁を作らないような立ち振る舞いも大事です。
粘り強く業務に取り組める人
ぶっちゃけて言うと、現場のトラブルの原因なんて100%断定できるものは少ないです。
おそらくこうだろうと推測を立てる → 対策に落とし込む → 似たようなトラブル発生 → 繰り返し…
が多いです。
そういったことを地道に積み上げて着実に現場のレベルアップをしていくしかないのです。
わかんねえよ!ってことも多いのですが、その中でもなんとか改善をしていくのが生産技術です。
また、長時間勤務や夜勤も発生する職種のため、体力的にも自信のある人の方が良いですね。
成長意欲がある人
現場を効率化してよくしていくということは、自分自身も成長しなければなりません。
現場で使用する知識は多岐に及ぶため、大学の専門知識だけでは全く歯が立ちません。自主自立の精神で研鑽する必要があります。
普段の業務中だけだと時間が足りないので、帰宅後や休日に勉強することも当たり前だと思っています。
特に最近だとデータサイエンスやIoTに関する改善が求められるため、ITリテラシーも高くなければなりません。
まとめ
今回は生産技術職がどんなものなのか、4年間経験してきた僕が解説してみました。
生産技術は確かに大変な職種だと思うのですが、やりがいはありますし、人とコミュニケーションを取りながら進めるのが好きな人にとっては良い選択肢ではないかと思います。
逆に1人でコツコツ仕事をこなしていくのが好きな人には不向きな職種だと考えます。
もし、もっと話が聞きたいという方は是非ご質問ください!