今回は大学院に入学予定の理系の方に向けて、私が大学院で借りていた奨学金が免除になった話をしようと思います!
実は大学院の時の奨学金の免除は思っているほど難しくありません!
研究室と研究テーマの選び方に注意すれば、全額免除もしくは半額免除となる可能性がグッと上がります。
奨学金が半額免除になると約100万円、全額免除になると約200万円をただでもらえることになります。
少しでも免除の可能性を上げたい学生さんにとっては、今回の記事は有意義だと思いますので、是非読んでいただきたいです!
それでは解説に移ります!
学生時代の私
私は元々地頭がめちゃくちゃ良いというわけではなく、なんとか国立大学の工学部に進学し、普通の学生と同じようにバイトやサークルに明け暮れていました。
私の大学の工学部の場合、大学院の進学率は70%は超えていましたので、「みんなが大学院に進学するから自分も進学する」という感じで、何も考えずに同じ大学の大学院に入学。
2年間の大学院生活の後、2017年に無事に修了しました。
私は本当に普通の学生で、留学経験もないですし、サークルの代表をしていたわけでもないですし、学部の成績も中の上くらいで、TOEICも500点代とめっちゃ平凡です笑
そんな私ですが、毎月88000円の第一種奨学金(無利子)を借りていて、全額免除(211万円)を勝ち取りました!
念のため証拠画像です笑
今回は大学院時代に自分がどうやって奨学金免除を勝ち取ったか、そのちょっとしたコツを話したいと思います。
奨学金の種類
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金には以下の2種類があります。
・貸与型:返済義務あり
一般的に、給付型の奨学金は親の収入が非常に厳しい状況、もしくは学生本人がものすごく優秀の場合に給付されるもので、ほとんどの学生は条件を満たすのが困難かと思います。
一方で、貸与型の奨学金は申請すれば相当な懸念事項がない限り認定されると思います。
通常、貸与型の奨学金には利子が発生しますが、理系大学院生の場合、大学院第一種奨学金という利子なしの奨学金を借りられる可能性が高いです。
私の研究室の同期や先輩、後輩を見ても第一種奨学金に落選した人は見ませんでした。
また、この第一種奨学金に関しては、大学院で良い業績を残せた学生は卒業後に免除(半額、全額)になる可能性があります。
利子0%なので、免除にならなくても損することはありません。
借りるか迷っている人は、とりあえず借りておくのをおすすめします。
単純に大学院は忙しくて、バイトもなかなかできませんし。
奨学金免除の仕組み
その大学院第一種奨学金ですが、実は思っているよりも免除の倍率は低いです。
日本学生支援機構HP:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/taiyochu/gyosekimenjyo/gaiyo.html
修士課程の貸与終了者数が21,753人に対し免除者数は6,525人と、貸与終了者の約30%が半額もしくは全額免除になっていることがわかります。
実は学生のうち3〜4人に1人が免除されているんです。
しかも免除になる学生は、全国の大学院生の中で優秀な人から30%を選んでいるのではないのです。
各大学には推薦用の枠が用意されており、その枠に入ることができればほぼ免除が決定します。
つまり奨学金の免除は全国選抜ではなく、学内選抜なのです。
学内にどれほどの推薦枠があるのかは不明ですが、私の卒業したコースも7人/30人が奨学金免除(私を含め2人は全額免除)になっていたので、おそらく推薦枠も学生人数の30%程度あると推測しています。
東大、京大のような超一流でない大学も推薦枠は用意させてあるはずなので、安心してください。
むしろ超一流の学生が居ないため、ちょっと頑張れば免除に繋がる可能性が高いです。
・免除の審査は全国選抜ではなく、学内選抜
奨学金免除のための戦略
次にどのように行動すれば免除に繋がるかを私の実体験を交えながらお話します。
上の図は北海道大学の奨学金免除の評価方法です。
他の大学も似たような方法で評価されているものと思います。
大学院生であるため、基本的には、論文執筆、学会発表、特許取得、学業成績、TA実績で加点されていきます。
この点を踏まえ、結果的に奨学金の全額免除になった私の考え方をお教えします。
研究テーマは実験系のものを選択する
研究室に所属したらまずはテーマを考えるorもらうことになりますよね。
私がお勧めするのは数値計算などの理論系ではなく、実験を中心に研究を進めていくスタイルのテーマです。
なぜかというと理論系のテーマは大学院2年間(学部生の時を含めても3年程度)では結果を出すのがハードだからです。
ソフトやプログラミングのやり方を覚えて、先輩が残した結果を読み取って、それを再現してみて(この再現が結構大変です)やっと先輩の結果+αが出せるのがM1の終わりくらいではないでしょうか。
そこからやっと自分なりの成果が出て、M2の夏に学会発表を行い、論文も1本書いて卒業。
ここまでできれば学内推薦がもらえるかもしれませんが、これはなかなか大変だと思います。
一方ですが、実験系のテーマはわかりやすいです。
私は学生の時、実験を中心に研究を進めていくスタイルのテーマでしたが、ネタに困ったら朝から深夜まで実験室に籠もっていました。
実験は実験で体力的にきついことは十分知っているのですが、成果がなかなか出ない理論系よりはマシかなと思っています。
大量に実験すれば何かしらの成果は出てきます(学外の実験設備を使用している人や、自分だけの権限で実験することが許されていない人は難しいかもしれませんが)。
特に、すでにある程度の体系的な説明ができているようなプロセスで、新しい系を試すテーマがあればかなり成果を出しやすいです。
つまり、先輩と同じ実験機で別の素材を使うテーマがあれば楽勝です。
すでに説明できる理屈を誰かが考えているわけですし、その理屈で説明できないならば、その差異を説明できるような理屈を付け足せばいいのです。
研究成果が形として残りやすいテーマを選ぶ
そんなテーマあったら苦労しないわと言われそうですが、成果が”比較的”形として残るような状況は作り出せます。
先ほど、論文執筆、学会発表、特許取得、学業成績、TA実績で加点されると言いましたが、これらは自分が第一著者である必要がない場合が多いです。
大学によってローカルなルールがあると思いますが、共著者であっても自分の成果として申請できる場合があります。
私はこれに目をつけていて、テーマ選びの時に企業や博士課程の学生と共同研究しているテーマに着手しました。
共同研究しているため、私が実験を全力でコミットすれば、相手の企業が論文としてまとめたり、特許を出願してくれる可能性が高くなります。
私の場合は共同研究先の企業から社会人Dr.が1名研究室に所属していたため、成果がどんどん増えていきました。
また、成果も特許として出願、公開したため、奨学金免除にはかなり有利になったと思います。
また他にも、
・新しいテーマ(論文、学会発表の確率が上がりますし、教授や准教授が論文を執筆する可能性があります)
・博士課程の学生と共通したテーマ(博士過程の学生のおこぼれがもらえる可能性が高いです)
・3年以内の先輩で奨学金免除になった人がいるテーマ(当たりテーマの確率が高いです)
など可能な限り、他の人にも動いてもらうことで奨学金免除にグッと近づきます。
良い成績の取りやすい授業を選択する
これは当たり前ですが、大学院の授業も成績がつくので、簡単な授業をとるのがベターです。
特に院の授業は学部の授業よりもラフなものが多いので、教授によってはAが簡単にとれてしまうものもあると思います。
興味がある授業は別ですが、大学院は授業よりも研究が重要なので、単位取得が難しい授業は絶対に取らないようにしましょう。
必ず後悔します笑
レポート提出で単位取得ができるものより、過去問が流出していて、問題に再現性がある授業は狙い目ですね。
テストの点数で評価されるので、レポートよりも基準が明確ですし、過去問の暗記でほとんどクリアできます。
簡単に良い成績が取れる授業は学生の間で情報が出回ると思うので、友達と仲良くして、効率よくAをゲットしましょう。
・企業や博士課程の学生と共同研究をした場合、おこぼれとして論文共著者となる可能性あり
・授業は無理せず楽なやつを選ぶ
まとめ
以上が奨学金免除のためのコツです。
大学院生として研究に励むのは当然ですが、大学院の成果の出やすさはテーマ選択に依存すると思うので、まずはテーマ選びに注意しましょう。
戦術的に頑張る(研究スキルをあげる)より、戦略的(成果が出やすいテーマを見つける)に頑張った方が奨学金免除という面では結果を伴いやすいです。
また、本気で免除を狙う人は事前に教務課に行って、審査の方法を明確にしておいたり、研究室のHPを見て、情報が記載されていないかチェックすべきです。
毎年免除になっている研究室は、それ相応の理由があるはずです。
奨学金免除は社会人になってから本当に助かっています。
若い時に毎月何万円か引かれるのは結構大変ですからね。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!