今回は大学院に進学するメリットとデメリットを考えたいと思います!
理系の方でしたら、先輩が修士課程に多く進学しており、その流れで自分も進学するというパターンが多いと思います。
ただ、本当に流れだけで進学していいのかなあと迷っている人もいるかと思います。
そんな方へむけた記事です。
この記事の対象としている方は以下の通りです。
・就活がうまくいかず、修士課程への進学を検討している方
・単純に修士課程にいくメリットとデメリットが知りたい方
私自身は工学の修士課程を修了しています。
個人的な意見としては、理系で大学院に進むことはメリットが多いと考えています。
その理由を私の体験を交えながら解説します!
大学院進学のメリット
大学院進学は長期的に見るとメリットが多いと考えます。
大卒だと差別化しにくい
ご存知の通りですが、最近は大卒が一般的になっています。
グラフを見ても明らかですが、2016年時点で50%以上の学生が大学に進学しています。
同級生の中の過半数以上が大学卒というのが現実ですね。
一方、今の管理職クラスの人たちが学生の時代である1990年を見てみると、大学進学率は25%くらいしかなく、4人に1人しか大学に進学していませんでした。
この当時は”大卒”というだけで差別化ができていたのだと思います。
現在50%以上の人が大学に進学し、大学進学率が単調増加である現実を考えると、これからは大卒であることが当たり前になってきます(すでになっている気もしますが..)
10年20年後は大卒は当たり前、大学院卒が現在の大卒扱いになっているかもしれません。
そのような状況下で、もしも転職や方向転換が必要になった時に、大卒という肩書きでは少し劣る可能性があるため、今のうちに大学院卒という肩書きを持っておくのは悪くない選択肢だと思います。
培える能力が多い
基本的に理系の大学院はどの分野も忙しいです。
私の研究室もそれなりにブラックだったので、普通の平日は午前10時〜0時まで実験や資料作成を行っていました。
当時は辛かったのですが、今思うと資料作成能力や発表能力は2年間で格段にアップしたと体感しています。
また、今人気のプログラミング能力や英語能力も研究室によっては身に付けることができます(私もこの能力を身に付けておけば良かったのですが、、)
社会人は本当に時間がなく毎日クタクタで、スキルアップにかける自己研鑽の時間もなかなか取りにくいです。
就職前に今後市場で必要なスキルを身に付ける時間を確保するという意味でも大学院進学はアリです。
就職の幅が広がる
私の経験や同期の話を聞くに、修士でないと就職できない職種があるのも事実です。
例えば、超大手企業の技術者や研究者になりたいならば、大学院卒でなければ難しいです。
特に研究職はその傾向が強いですね。
企業側からすれば、学部生よりも修士課程に進学して教授の指導をしっかり受けた学生を研究職として選ぶのは当然ですよね(民間から見て教授の力はすごいです)。
また、工学の研究室ですと、企業とコネクションを作っていて、推薦で内定が決まってしまうというケースも少なからずあります。
このように修士卒の場合、就職の選択肢を広げることが可能です。
学生期間2年延長
これはオマケ程度ですが、やはり社会人よりも学生の方が気楽です。
私もブラック研究室でしたが、学生の方がのびのび生活できていたような気がします。
学生だと休みも教授と准教授に懇願すればなんとかなる場合が多いですが、企業に勤めていると、業務の都合上、空気を読まないと長期休暇は難しいです。
よく、社会人はお金はあるが時間はない、学生は時間はあるけどお金はない、と言われますが、まさにその通りですね。
大学院進学のデメリット
続いてデメリットをご紹介します。
学費が2年分多くかかる
当然ですが、入学金と授業料分だけ負担は大きくなってしまいます。
国立大学だと、年度によって多少前後しますが
・入学金:28万2千円
・授業料:53万8千円/年×2年 = 107万6千円
・合計:約136万
一方、学部卒で就職した同期は先にお金を稼いでいます。
仮に手取り年収300万円だとすると、
300万円/年×2年ー136万円 = 464万円
の格差が生じてしまいます。
この差を大きいと見るか小さいと見るかですが、私は長い目で見ると全然大した差ではないかなと思います。
仮に大学院まで進学し、より条件のいい会社に入社できた場合、全然元が取れてしまう金額です。
社会に出るのが2年遅くなる
大学院修士課程をストレートで卒業した場合、24歳で就職することになります。
3年間新卒で入社した会社で働いたとして、何らかの理由で転職する必要が出た場合、年齢は27歳になっています。
そこで転職して3年するともう30歳。
30歳を超えると新しい業種や職種へのチャレンジは難しい年齢にさしかかります。
そうです、大学院に進学するとキャリア構築に重要な20代を、学生のうちに2年間消費してしまうのです。
私も現在28歳で一度転職を経験しましたが、30歳を超えてからの転職は本当に大変です。
以下の記事に少し記載しています。
【転職して2ヶ月】28歳の僕が大手企業へ転職してみて実際に感じたこと
学部卒ならば、2度転職してもまだ20代でまだまだ若造として見られます。
第二新卒枠で何とか新しい職種に滑り込める年齢に当たりますので、路線変更する時間的な余裕を長く持つことができます。
まとめ
社会人5年目になって振り返ると、修士課程に進学して良かったなと思っています。
学会や共同研究を通じてスキルアップできましたし、忙しいながらも学生だったのでみんなで遊ぶこともできました。
確かに2年間、社会に出るのは遅くなりましたが全く後悔していません。
というよりか、私が新卒で入社した会社も転職で入社した会社も、最近の技術系職種の方は大学院卒が多いです。
まあ、私の場合あまり悩まずに院に進学しましたが、迷う学生さんもいらっしゃいますよね。
・研究は自分には向いてなさすぎ
など明らかな理由がないのであれば、院進学した方が長期目線ではいいのではないかと思っています。