「m3N/h」は「ノルマルリューベー パー アワー」
「Nm3/min」は「ノルマルリューベー パー ミニッツ」
と呼びます。
例えば、「100m3N/hの空気を吹き込む」は、「0℃で1気圧の条件に体積換算したら100m3となる空気を吹き込む」という意味です。
なぜこのような表記をしているかといいますと、気体や圧縮性の液体は温度と圧力によって体積が変化するからです。
理想気体の場合は高校物理で習ったボイル・シャルルの法則が働きます。
気体の体積Vは、圧力Pに反比例し、絶対温度Tに比例する。
例えば、燃焼反応で酸素の吹き込み量を計算するときは実際の体積ではなく、標準状態での体積を元に計算します。
① 600℃で300kPaの空気500m3/h
② 1000℃で50kPaの空気1000m3/h
のどちらが酸素吹き込み量が大きいでしょうか。
①の標準状態の空気量を計算する際、温度が下がるので体積は減少する一方、圧力は下がるので体積は膨張しようとします。それを計算すると、
500×273.15/(600+273.15)×(300+101.3)/101.3≒620 [m3N/h]
このように、ある温度とある圧力の体積に補正することを、温圧補正と呼びます。
よって酸素吹き込み量は
620×0.21≒130 [m3N/h]
となります。
※0℃は絶対温度で約273.15K、大気圧は約101.3kPa、空気中の酸素濃度は21%としています。
②も同様な計算をすると、酸素吹き込み量は149m3N/hとなります。
よって②の方が酸素吹き込み量が大きいです。
燃焼計算をするときはこの酸素量に対して燃焼消費量や発生熱量を計算します。
逆に、管内の流速を計算するときは標準状態の体積ではなく、実際の体積が重要ですので、”m3/h”を使用します。
そのため、温度や圧力が変化する場合はその都度、温圧補正を施す必要があります。
この辺りの計算は基本ですので、チャチャっと計算できるようになりたいですね!